猫ちゃんも人間と同じように目の病気になることがあります。
そんな時に病院から目薬を処方されることが多いのではないでしょうか。
しかし、いざ目薬を家でさそうとした時に、嫌がられたり逃げられたりした経験はありませんか?
この記事では動物看護師の私が教える目薬を嫌がった時の対処方法や、上手なやり方コツをお教えいたします!
猫が目薬を嫌がる原因とは
猫ちゃんが目薬を嫌がる原因はいくつかあります。
知らずにその原因となることをしている可能性があるかもしれません。まずは何が猫ちゃんにとって嫌なのか知っていきましょう。
なぜ目薬を嫌がるのか
目薬をさす時に真正面からさそうとしていませんか?
私たち人間も目の前から目薬を持って近づかれると警戒します。
それと同じように猫ちゃんも正面から目薬をさそうとすると怖がってしまう事が多いです。
さらに猫ちゃんにとって目薬というものが得体の知らない物であり、無理やり押さえつけて目薬をさそうとすると、その嫌な経験を覚えてしまい恐怖心が残ります。
飼い主さんは早く良くなってほしいという想いで一生懸命やっていても、その行為が逆効果になっているかもしれません。
また、目薬にはいくつか種類があり、その中には冷蔵保存の目薬があります。
冷蔵庫から出してすぐの冷たい目薬を、そのまま目の中に入れるとビックリしてしまいます。
その為目薬が「冷たいもの」「嫌なもの」という認識になり、目薬を見ただけで逃げる猫ちゃんもいるので注意が必要です。
嫌がった時の対処法
目薬を嫌がる猫ちゃんに無理やり目薬をさそうすれば、引っ掛かれたり噛まれたりする危険性があります。
では実際に嫌がった時はどのようにすれば良いのか対処法をお伝えしていきます。
正面からではなく後ろから支える
急に正面から近づくのではなく、猫ちゃんがリラックスしている時に、声をかけてあげながら後方より優しく包み込むように支える。
それでも嫌がる場合はバスタオルなどを使い、爪で引っ掻かれないように手足も一緒に包み込んであげましょう。
無理に押さえつけない
無理に押さえつけて行うとさらに抵抗し、どんどん目薬をさすのが難しくなります。
嫌がる時は少し様子を見て、時間を空けて行うようにしましょう。
好きなおやつなどを使うのも効果的です。
冷蔵保存の目薬は手で温める
冷蔵庫から出したばかりの目薬は冷たく、そのまま入れるとビックリしてしまいます。
少し手のひらで転がすように温めてあげると良いでしょう。
上手な目薬のさし方
それでは嫌がった時の対処法を踏まえ、実際に私が動物病院で行っていた目薬のさし方やコツをご説明します!!
目薬をさす手順
手順1:猫ちゃんがリラックスしているタイミングを見て、優しく後ろから支える。
手順2:手のひらで顎を下から優しく支える。親指は耳の上の方に添え、顔を固定する。
手順3:強く掴みすぎて苦しくならないように顎を軽く上にあげる。この時、上に向けすぎると苦しくなり嫌がってしまうので、目薬が入れれるぐらいの角度まで上に向ける。
手順4:目の上から目薬をさす。目薬をさす時に猫ちゃんの視界に入ると怖がってしまいますので、出来るだけ頭の方から目の上に持って行き素早くさす。
目薬をさす時のコツ
出来るだけ猫ちゃんと自分の体は密着させるようにしましょう。
猫ちゃんは体が柔軟なため、隙間が空いているとその隙間から逃げてしまいます。
しかし力任せにギュッとしてしまうと、それも嫌がるポイントになるので注意しましょう。
顎の下を支えるときには喉ではなく、顎下の骨を支えてあげることで苦しさや痛みの負担を軽減して支えてあげることができます。
また目薬をさす時に躊躇してしまい、目の前で目薬をずっと構えられると猫ちゃんも不安になり怖がって逃げてしまいますので、目薬をさす時にはスムーズに素早くさすことがポイントです。
どうしても暴れてしまったり逃げたりする場合は、バスタオルで包み込んであげたり、洗濯ネットに入れ顔だけ出して目薬をさすという方法もあります。
1人でやるのが難しいのであれば2人で協力して、1人は支える係、もう1人は目薬をさす係と分担することでスムーズに目薬をさすことができます。
目薬をささずに放置するとどうなるの?
目薬がうまく出来ないからと目薬をささずに放置してしまうと、どのようなことが起きるのでしょうか?
最悪の場合失明する可能性も
目薬さすことが出来ないからと放置すると、最悪の場合失明することもあります。
猫ちゃんに多い結膜炎では症状として涙や目ヤニが多く出たりしますが、それをそのまま放置してしまうと目の炎症が悪化してしまい、瞼が癒着し、目が開かなくなる事もあります。
その他にも角膜炎という病気では放置すると角膜に穴が開いてしまい、失明する恐れもあります。目の病気だからといって放置してしまうと、とても危険です。
動物病院であった事例として、拾った子猫ちゃんが猫風邪という病気から目の炎症があり、ひどく目ヤニがついていました。
その状態が長かったせいか、その後綺麗に手入れをしても癒着が酷く目を開く事ができませんでした。その猫ちゃんは大きく成長した今でも片目は閉じたままの状態です。
もう少し早く治療ができていれば、、、という事にならないように。
どうしても自宅での目薬が難しいという方は悩まず病院に相談してみて下さい。
まとめ
猫ちゃんに目薬をさすのは難しい部分もありますが、コツを掴めば猫ちゃんも嫌な気持ちをせずにさすことが出来ると思うので、一緒に頑張ってみて下さい!
日々のコミュニケーションも目薬をさす時にとても重要になるので、目薬をさすとき以外のコミュニケーションも取ることが大切です。
お互いがストレスにならないよう、病院を頼ることも一つの手段ですので、無理はせず猫ちゃんにあった治療法で治療してあげてください。